コラム
インドでは重要な申請書には必ずと言っていいほど、父親の名前を書く欄があります。
人口が多く、都心部を除きカースト(の中のジャーティ)によって、苗字(一族)と職業が強く紐付いているインドでは、同姓同名が沢山居て、本人の名前だけでは個人の特定が難しいため、父親の名前まで必要になるのです。
ちなみにアパートの契約書や納税番号が書いてあるPANカードにも父親の名前まで書いてあります。
会社設立をする前(COIが発行されるまで)は就労ビザを申請することができません。
一般的な選択肢としては、Tourism(観光)ビザかBusiness(ビジネス)ビザのどちらかになります。
ビザの取りやすさでいうと圧倒的に観光ビザなのですが、私がオススメするのはビジネスビザです。
理由はビジネスビザだとインドで正式なアパート契約を結べるからです(なお、インドではマンションという言葉はありません。日本で言うマンションもインドではアパートです)。
会社設立後に就労ビザを取得してインドに入国すると外国人は2週間以内にFRRO(外国人登録)が義務づけられています。2週間を超えてFRROを行っていないと、空港の通関で止められたり、罰金を科せられることがあります。
「2週間もあれば、アパートなんてすぐに見つかる」と思っていたら大甘です。
インドのアパートは日本人から見ると欠陥が多く、慎重に選ぶ必要があります。そして、新築でも欠陥は当たり前なので、ある程度見定めた上で妥協する勇気も必要です。また、職場との距離や交通の便、買い物環境なども非常に重要です。やっと妥協できる物件が見つかり契約を結ぶ際もオーナーはお金をもらうと対応が雑になり、FRROに提出できる公文書化された契約書をもらうまでも苦労します。そして、2週間はあっという間に過ぎてしまうのです。
こちらの余裕がないことを知ると足元を見てくるからこそ、入国後6ヶ月まではFRROの義務がないビジネスビザで物件探しを行い、契約するのが重要なのです。